37. 誘惑 甘い囁き 迷い

 目の前に起こる現象、いつも人々は甘い囁きや、優しい言葉に魅了され、迷いの道へと突き進んでしまいます。誘惑の言葉はあまりにも多く、私たちは迷いの道へと行かせてしまうのです。
 自分に無いものを欲しがったり、人が持っているものを特別なものに思えたり、何かにすがれば、安らぎを取り戻せるとか、その人に依存すれば、私を素晴らしい方向へと導いてくれるなどと勝手に思いこんだりします。
 常に人間は迷い、苦しみ、自分を見失ってしまいますが、その時必ずと言って良いほど誘惑の手は、差し伸べられてきます。それが心地よい甘い囁きに聞こえ、楽な方へ楽な方へと坂道を転がり落ちるように、進んで行ってしまいます。途中で立ち止まれればいいのですが、迷いと誘惑はそれをさせてはくれません。自分の意識がもうすでに、破壊されてしまっているのです。
 どうしたら、そこから目を覚まし、本来ある自分に戻れるのでしょうか。それは、さほど難しいことではありません。まずは今起こっている、目の前の現象を、ありのままに受け入れ、解決策を先に考えないことです。まずは、全てを受け入れることです。そうしないと自分が見えない。少しだけ自分が見えたら、何をすれば良いのか、その現実の中から解決策を望めば良いのです。後悔しても、元には戻れません。
 「ああなったら良いな」とかという、仮想的な考え方を捨て、現実を見失わないことです。
どんなにつらくても、今ある自分を無くしてはいけません。しっかり見つめることです。そこには、甘い囁きも、誘惑も、存在してきません。迷いは、時間の無駄遣いです。そこからは何も生まれない。でも、少しばかり迷うことは、人間の特権であり、楽しみでもあります。それは何かを選ぶときだけにしてはいかがでしょうか。
 ありのままを受け入れる勇気があれば良いのです。今起こっている目の前のことを否定しないでください。それが現実の出来事なのですから。