95. みんながものすごいお金持ちだったら

 現代社会の中では、お金を使ってほとんどのものが買うことができます。とっても便利で都合のいいことですが、あくまでお金という物質が重要視され、逆に人間の心が失われていくこともあります。お金のために罪を犯したり、このお金の魅力に取り付かれ、環境破壊から意識の破壊まで様々な現象が起こっています。
 ここで一つ、みんながものすごく裕福だったらどうなるかということを、仮の姿で警鐘してみたいと思います。
 今目の前に5人の方がいます。そして5名全員が100億円持っていることにしましょう。Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんがいるとしましょう。
 Aさんはお米を作っています。BさんがAさんにお米を買いにいきます。Aさんは100億円持っていますから、本来なら10kg 5000円のお米を「仲良しのBさんだからお金はいいわ」と差し上げました。Bさんは「Aさんあのお米ものすごく美味しかったわ」と言ってくれました。100億円持っているAさんとしては、5000円のお金よりも、美味しかったわの一言の方がよほどうれしく感じられたはずです。
 Bさんはみかんをつくっています。Cさんが、Bさんそのみかん売ってくれない?と来ました。Bさんは100億円持っていますので、本来1箱2000円のみかんを「Cさんよかったら食べて」と差し上げることにしました。Cさんは「Bさんあのみかんほんっとに美味しかったわ」と大喜びしてくれました。100億円持っているBさんは、Cさんから2000円のお金をもらうよりも、「ほんっとに美味しかったわ」の一言の方がよほど価値があったでしょう。
Cさんは、メロンを作っています。とても美味しいメロンです。DさんがCさんの畑にメロンを買いに来ました。本来ならば1玉3000円もするメロンですが、このCさんも100億円持っています。「Dさんいいよいいよ食べて、お金は要らないから」
次の日Dさんが、Cさんメロンおいしかったわ〜。自分が作っているスイカを持ってきてくれました。Dさんもまた100億円持っているので、スイカの料金をもらおうなんて初めから思っていません。
そしてそのDさんのすいかを今度Eさんが買いに来ます。でもお金はいただきません。だってみんなで100億円もっているわけですから。
こんな風に、全員が100億円を持っていたとしたならば、おいしかったわ、とか、本当にありがとう、とか、感謝や喜びの言葉の方が、お金よりもずっと心に響きます。
どうせ流通しない100億円ならば、逆に持っていても仕方がありません。
要するに、100億円持っている、という豊かな心にさえなっていれば、本当の人間関係が作られ、お金という道具を使わなくても社会生活がうまく営まれることができるのです。
大昔の日本は、そんなんだったんじゃないかな、と思います。
本当にこのお金という道具は、人間をどんどん悪い方向へと導いていったのかもしれません。
もう一度原点に返り、いかに豊かな心が大切か、そして現実に人間関係の中で満たされることがどれほど貴重なのか、わかってきます。
是非そのような豊かな心で、お金という道具を使わない未来を築けていけたならばいいなと思います。